増加する納骨堂。財務と永続性の観点からそこに納骨して大丈夫か? 違法な名義貸しはしていないか?
- 鈴木俊行
- 2022年10月31日
- 読了時間: 2分
増加する納骨堂。
財務と永続性の観点からそこに納骨して大丈夫か?
違法な名義貸しはしていないか?
近年、首都圏などの都市部では墓地用地が不足し、
墓地に代わる新しい墓の在り方として、「納骨堂」に関心が高まっています。
納骨堂は昭和初期からあると言われていますが、
かつては墓を建てるまでの間に一時的に寺の境内で遺骨を預かる建物のことを指していたようです。
現在では、墓じまいや墓を持ちたくない方のニーズに応え、
三十三回忌、五十回忌までなどの安置期間を定め、
いずれは永久供養墓などの合祀墓に移して供養する納骨堂が多いようです。
①「ロッカー式」(コインロッカーみたいな形式)
②「機械式」(立体駐車場形式)
③「棚式」(骨壺を棚に並べる形式)
をはじめ、現在は様々なスタイルがありますが、
問題は、その財務状況と永続性です。
納骨堂は墓である以上、非営利性、永続性と財務状況は重要なポイント。
寺院も石材屋や葬儀社、コンサルタントなどの知見を入れないと、
なかなか独自で墓域の拡大や納骨堂建設には踏み切れない事情もありますが、
民間の営利企業が、どのようにかかわってくるのかで、
いろいろと問題も生じます。
事実上、民間企業が納骨堂の経営をしているようでは、
墓埋法を潜脱する違法行為といえるでしょう。
そもそも民間営利企業の永続性が疑問視されます。
墓地の名義貸しは多様な形態がありますので一義的な定義はありませんが、
概ね、宗教法人の名を借りて石材店や建設業者などの営利企業が墓地の販売収益の獲得を目的として、
宗教法人に経済的便益を与え、その代わりに実質的に墓地経営の実権を握ることをいいます。
民間企業が寺院から土地建物を借り、
民間企業は、寺院が許可を得た墓地や納骨堂の運営を仕切り、
民間企業が納骨堂の販売収益を得る行為は、
明らかに名義貸しと言えるでしょう。
また、土地の仕入れ、墓地の建設費用の全てを民間企業が負担することや、
名義貸料として多額の金員を寺院に支払う形は紛れもない名義貸しでしょう。
墓地にはその永続性、非営利性が求められることから経営主体が限定されています。
名義貸しは、このような経営主体限定を潜脱するものですから、
行政指針は墓地経営許可の条件として名義貸しが行われていないことを挙げています(H12.12.6生衛発1764)。
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終活・相続・葬祭「法務」 行政書士鈴木俊行 葬儀葬祭法務特捜
東京都杉並区阿佐谷 杉並区役所隣り
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