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遺言書には何を書くのか(書けるのか)?

更新日:2022年9月9日

遺言書には何を書くのか(書けるのか)?


完璧な遺言書を作成することは専門家でも難しいもの。

遺言書に書くべき事柄を以下に示します。


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遺言書の作成方法は法律(民法)で定められており、法律的に有効な遺言をするには、その定めにしたがって遺言書を作成しなければなりません。

また、法律の定めにしたがった形式で遺言書を作成したとしても、その遺言書に書いておけば何でも法律的に認められるわけではありません。遺言によってできることについても、民法やその他の法律で定められているのです(法定遺言事項)。

ただし、遺言書には法律で定められた事柄以外に、自分の葬儀の方法についての指定や、残された家族への要望、感謝の言葉などを付言事項として書くことももちろん差し支えありません。しかし、それらが相続人などに対して法的な強制力を持つものではないということです。

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遺言によってできること(法定遺言事項など)は次のとおり。


●相続に関する事項

1 共同相続人の相続分の指定、または第三者への指定の委託(民法902条)

2 遺産の分割方法の指定、または第三者への指定の委託、および遺産の分割の禁止(民法908条)

3 推定相続人の廃除、または廃除の取り消し(民法893条,894条2項)


●その他の財産処分に関する事項

1 遺贈(民法964条)

2 生命保険の保険金受取人の変更(保険法44条1項)

3 一般財団法人を設立する意思の表示(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律152条)

4 信託の設定(信託法3条2項)


●身分上の事項

1 認知(民法781条2項)

2 未成年後見人、未成年後見監督人の指定(民法839条1項,848条)


●遺言の執行に関する事項

1 遺言執行者の指定、または第三者への指定の委託(民法1006条1項)

* 遺言執行者への明確な権限の授与を記載した方がベター

(例)

第〇条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、長男〇〇〇〇を指定し、次の権限を授与する。

① 不動産、預貯金、株式その他の相続財産の名義変更、解約及び払戻し

② 貸金庫の開扉と内容物の受領

③ この遺言の執行に必要な場合に代理人及び補助者を選任すること

④ その他この遺言の執行に必要な一切の処分を行うこと


●遺言によってできると解釈されている事項

1 特別受益の持ち戻しの免除(民法903条3項)

2 祭祀を主宰すべき者の指定(民法897条1項)


●その他

1 遺産分割における担保責任に関する別段の意思表示(民法第914条)

2 遺留分侵害額請求の負担方法の定め(民法第1047条第1項②)

3 相続準拠法の適用について 「遺言の方式の準拠法に関する法律」及び「法の適用に関する通則法」

4 予備的遺言(補充遺言)

(例)『遺言者の財産全てを長男に相続させる。もし、長男が遺言者の死亡以前に死亡した場合は、長男の子であるABに均等割合にて相続させる。』

5 相続させる文言への読みかえ規定

(例)『もし遺言の効力発生時に、受遺者◯◯が相続人の地位を得ていた場合、『遺贈する」の文言を「相続させる」と読み換えるものとする。』

6 負担付き遺贈

(例)

『一.全ての財産を長男に相続させる

二.前項の負担として、長男は遺言者の妻◯◯の一生涯、介護扶養をしなければならない』

7 付言事項

(例)『二男◯◯には生前に自宅購入代金として、1000万円贈与しているので、今般の相続では長男に全てを相続させることとしました。長男◯◯も二男◯◯も私の宝物でした。今でも長男◯◯、二男◯◯が生まれた時のことを覚えています。ですので、私亡き後は兄弟で争いをしてほしくありません。父の最後の遺志をくみ取り、遺言通りに手続きをしてもらえることを願っております。』




終活・相続・葬祭「法務」 行政書士鈴木俊行 杉並区役所隣り

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