葬式の供花を自分で持ち込みたいのに葬儀社から断られた、なぜ?<行政書士鈴木俊行>
- 鈴木俊行
- 2022年9月13日
- 読了時間: 3分
更新日:3月20日
葬儀の供花、持ち込み制限、なぜ?
葬儀では供花を供えるのが当たり前だが、
その供花について、
遺族や知人が故人の好みの花を手配しようとしたら、
葬儀社や斎場から断られることがある。
外部の花店からの「持ち込み」を禁止し、
葬儀社や斎場での直接注文だけに限っているところが全国的にあるようだ。
「利益確保のため」(ある葬祭業者)との側面もうかがえるが、
葬儀業者の
「式場の供花に統一感出すため限定」
「生花スタンドの高さや花のボリューム、名札の体裁など供花に統一感を出すため、斎場注文に限っている」
という考え方にも一理ある。
ある方の話では、
葬儀にフラワーアレンジメントで定評のある花店の花を寄せようとお店を訪れたところ、
店員から「その斎場には届けられない」と言われ、
斎場に電話して確認したところ、
「供花は、斎場への注文分しか受け付けない」と言われたことがあったという。
「故人が大好きな花に囲まれて見送られることは、かなわないのでしょうか」という気持ちのようだ。
ネット上の情報では、
公正取引委員会の担当者によれば「不当な取引拒絶は、独占禁止法で規制されている。一方で、事業者側にも取引先選択の自由があり、供花の取引制限が違法とまで言えるかは難しい」と説明したという。
ただ、
「遺族は、急に斎場を決めなければならないことがほとんど。今回のように、消費者にとっては好ましくないサービスが見過ごされている面もあるとみられる。斎場の対応を、事前に調べる方が望ましい」とも。
消費者庁の担当者は「ただちに法令違反とは言えないが、消費者の選択を狭めており、問題がある」との回答だったとか。
公取委は、17年に斎場と花店や仕出店といった出入り業者との取引に関する実態調査報告書をまとめた。それによると、優越的地位を利用して商品を購入させるなど、独禁法などに抵触する恐れがある行為が、取引関係の約3割で確認されたという。
或る花屋は「斎場注文の花は、種類が劣ったり、本数が少なかったりしても高額というケースが散見される。外部注文の花と並べると見劣りするので、持ち込みを制限しているのではないか」と推察すると語ったようだ。
葬祭業者の関係者の一人は、
「現状は、葬儀の慌ただしさに紛れさせて、高額な花など不要な物やサービスを買わせるところもある」とも。
また、
「仮に供花を使い回しされても分からない」
「一般の花店に比べ、高額すぎる」
「外部で手配しようとした供花を斎場に受け付けてもらえなかった。自分で探した花は6千円だったが、斎場側から提示された供花の値段は2万~5万円台。桁違いの値段で驚いた。統一感を出すためというが、故人が望むことなのだろうか」
「(斎場側が)売り上げを独占したいとしか思えない」
との声もあるようだ。
葬儀社側は
「統一感を出すために制限している。ただ、柩の近くに置く小さい花などは持ち込みを受け付けている」
などと回答した例があるようだ。
(参考/西日本新聞「あなたの特命取材班」ウェブサイトアンケート)
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行政書士 鈴 木 俊 行
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