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執筆者の写真鈴木俊行

自宅で死産した双子の遺体を段ボール箱に入れて、棚の上に置いたことが「死体遺棄」に該当するのか? 孤立出産で死体遺棄罪に問われたベトナム人女性の裁判 死体遺棄罪の有罪見直しか(最高裁)来年2月に弁論へ

自宅で死産した双子の遺体を段ボール箱に入れて、棚の上に置いたことが「死体遺棄」に該当するのか?


以下の報道による




自宅で死産した双子の遺体を遺棄したとして、

死体遺棄罪に問われたベトナム国籍の技能実習生の上告審で、

最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)は検察側、弁護側の双方の意見を聞く弁論を2023年2月24日に開くと決めたようだ。


弁論は二審判決を変えるのに必要な手続きで、

弁護側の無罪主張を退けて有罪とした二審・福岡高裁の判断が見直される可能性があるとメディアは報じている。


「被告は技能実習生として熊本県の農園で働いていた2020年11月に、

自宅で双子を死産したのち、

遺体をタオルに包んで部屋にあった段ボール箱に入れ、

おわびの言葉などを書いた手紙も入れた。

「妊娠がわかれば強制的に帰国させられる」と考えて周囲には相談しておらず、

翌日に病院を受診して死産が発覚した」というもの。



刑法の死体遺棄罪の保護法益は、

公衆の敬虔感情 、死者に対する敬虔感情を保護法益とするとされている。

「遺棄」には、遺体を山中に捨てたり家の床下に隠したりするといった「作為」と、

役所への届け出や葬儀をせずに遺体を放置する「不作為(不真正不作為犯)」という二つの捉え方があり、

被告の行為(不作為)が、これらにあたるのかが争われている。


刑法

第百九十条 死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。


被告は、

死産した翌日に、雇い主らに連れて行かれた病院の医師に死産を告白。

2020年11月19日、死体遺棄の疑いで逮捕されて、同年12月10日に起訴された。


被告側は、遺体を段ボールに入れたのは「埋葬のための安置だった」として罪は成立しないと主張したが、


2021年7月の一審・熊本地裁判決は、

「作為」と「不作為」の両方にあたると判断し、

懲役8カ月執行猶予3年の有罪とした。

外国人であり技能実習生という被告の状態から、死産から間もない厳しい状態にあったと認めつつも、

「まわりの人に助力を求めることはできたはずだ」と述べた。


また、

今年1月の二審・福岡高裁判決は、

一審の判断を一部修。

死産から発覚までの時間が1日半ほどにとどまり、通常の葬儀と比べて遅すぎるとはいえないため、「不作為」は認めなかったが、

「作為」にはあたるとして有罪を維持した。


その理由は、

被告が遺体を段ボール箱に二重に入れ、テープで封をした行為に着目し、

それが「作為(遺体の隠匿にあたり、適切な時期に葬祭が行われる可能性を著しく減少させた)」であると判断したとされている。

量刑は軽くし、懲役3カ月執行猶予2年とした。


主任弁護人の弁護士は、

「高裁判決では、孤立死産に陥った母親が優しさからとった行為が、死体遺棄罪における隠匿だと判断されてしまっていました。これを最高裁ではしっかりと見直していただきたいと思います」と述べている。


被告は、

「埋葬するつもりで死体遺棄の故意はない」などと無罪を主張している。




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終活・相続・葬祭「法務」 行政書士鈴木俊行 葬儀葬祭法務特捜部

終活・葬祭法務ネットワーク協会代表

東京都杉並区阿佐谷 杉並区役所隣り

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