孤独死と火葬・葬儀
- 鈴木俊行
- 2022年11月26日
- 読了時間: 4分
更新日:2022年12月8日
【孤独死と、火葬・葬儀】
家族や親族、配偶者、子供がいるいないに関係なく、
孤独死する可能性は誰にでもあります。
深刻なのは、
親族がいるにもかかわらず、
葬儀を出す人がいず、遺体や遺骨の引き取り手が無いケース。
●ところで、火葬をする人がいない等のケースでは
日本の法律では人が亡くなった後は、
必ず火葬・埋葬を行わなくてはいけないのですが。。。
亡くなった方に家族や親戚などの身寄りがなく、
葬儀をあげてくれる人が身近にいない場合は、
役所が故人の戸籍をたどって親族を探し、
遺体の引き取りと火葬・埋葬を依頼するのが一般的。
故人に親族が一切いなかったり、
いたとしても疎遠になっていて遺体の引き取りを拒否されてしまったりした場合には、
死亡地の自治体が遺体を引き取り、火葬・埋葬を行います。
自治体が火葬や埋葬を行う場合、
法律に基づいた最低限の簡素な火葬・供養となり、
宗教儀礼である葬儀などは行われません。
(自治体によっては火葬前の読経などがある場合もあります)
●身寄りのない人の葬儀費用はどうするのか?
親族が遺体を引き取って葬儀を行う場合、
故人に財産が残っていればその財産を葬儀費用に充当することができます。
しかし、葬儀を行う側にも故人にも財産がほとんどなかった場合は。。。
なかには「今までほぼ付き合いのなかった親戚の葬儀を引き受けざるを得なくなり、困ってしまった」というケースもあります。
葬儀や埋葬の費用がない場合には以下のような給付制度もありますので、利用を検討しましょう。
葬祭給付金
故人が健康保険など公的医療保険に加入している場合、
葬儀費用として給付金を受け取ることができます。
金額は加入していた公的医療保険の種類や、申請者と故人との関係によって異なります。
埋葬給付金
故人が健康保険などの保険に加入している場合、
埋葬を行った方が埋葬費用の給付を受けることができる場合があります(上限金額あり)。
葬祭扶助制度
自治体が火葬・埋葬を行うための最低限の金額を支給する制度。
下記の場合などが対象。
・生活保護を受けていた人が亡くなり、遺族・親族以外の方が葬儀をする場合
・生活保護を受けていた人が亡くなるなどして、葬儀を行う遺族自身も生活保護を受けているなど葬儀費用が捻出できない場合
支給される金額は自治体によって異なりますが、最低限の金額の支給となるので、火葬と埋葬のみの直葬・火葬式という形になるのが一般的。
自治体が火葬・埋葬をする場合は、
故人に財産がある場合はその財産を葬儀費用に充当し、全く財産がない場合は自治体が火葬・埋葬費用を負担します。
●葬儀後、身寄りのない場合の納骨はどうなるのか?
遺骨や遺品の管理をする人がいない場合は、自治体が一定期間管理をします。
自治体ごとに決められた期間(おおむね5年程度)保管を行い、その後は身寄りのない人の遺骨を合同埋葬する「無縁塚」に納骨されます。
複数の遺骨をまとめて埋葬するので、無縁塚への納骨後に遺族が現れたとしても遺骨を取り出すことはできません。
●元気なうちに以下のような死後の準備を進めておきましょう。
・葬儀会社を選び相談をしたうえで、葬儀や埋葬方法を決めておく
・財産や遺品の相続方法を決め、遺言書を作成しておく
・死後事務委任契約を行政書士等と結び、死後の遺産・遺品整理を依頼しておく
生前の元気なうちにご本人が葬儀内容を決め、葬儀会社に事前登録を行うケースも増えてきています。
「〇〇さんを呼んでほしい」「好きなあの曲をかけてほしい」「家族葬のようなアットホームな葬儀にしてほしい」「遺骨は散骨してほしい」など、事前に決めて伝えておくことで希望の演出や形式を葬儀に反映させることができます。
・身寄りがなく死後の葬儀や埋葬、お墓などに不安がある人は、生前の元気なうちに少しずつ自分の死後の準備をしましょう。葬儀会社と葬儀の生前契約を結んだり、遺言書や死後事務委任契約などで自分の遺志を遺しておきましょう。
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終活・相続・葬祭「法務」 行政書士鈴木俊行 葬儀葬祭法務特捜部
終活・葬祭法務ネットワーク協会代表
東京都杉並区阿佐谷 杉並区役所隣り
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