臨終直後(病院で亡くなったとき)からは、搬送・安置など何が行われる? 葬儀の義務は?<行政書士鈴木俊行>
- 鈴木俊行
- 3月6日
- 読了時間: 4分
更新日:4月16日
臨終直後(病院で亡くなったとき)からは、搬送・安置など何が行われる? 葬儀の義務は?
最近、都市部では病院で亡くなるケースが9割を超えるといわれています。
病院で亡くなった場合は、通常は検案に回ることなく、
病院において看護師によりご清拭・エンゼルケアが行われたのち、ご遺体を安置場所に搬送しなければなりません。
注意)ご遺体は、病院から数時間内に搬出しなければならないのが一般的です。
つまり、急いで搬送の手配をしなければなりません。
病院にはたいてい専属の葬儀社がおり、病室(霊安室)からご自宅や葬儀会館等の遺体保管施設まで搬送してくれることがありますが、その搬送以降を任せっきりにしていると、その葬儀社が葬儀の段取りを進めてしまう可能性が有ります。
ですが、その葬儀社が遺族にとって葬儀場所の立地や葬儀プラン、葬儀費用などの点で望ましい葬儀を施行してくれるとは限りませんし、既に葬儀社が決まっている場合は、トラブルになりかねません。
注意)故人が生前、互助会に加入済である場合には相当の積み立てを済ませているでしょうし、特に遺族がそのことを知らないで別の葬儀社に依頼すると、故人による積立金が無駄になってしまいます。
注意)既に葬儀社が決まっている場合は、その旨を病院に伝える必要があります。
搬送の手配
ご遺体の搬送先(安置場所)を、葬儀社のセレモニー会館か、寺院か、自宅かについて至急決める必要があり、そのうえでご遺体の搬送を葬儀社に依頼しましょう。
注意)病院の出入り葬儀社に遺体の搬送だけを依頼することもできますので、その際はその旨をはっきり伝えましょう。搬送後に、正式に依頼する葬儀社を決めて手配することができますが、実際にはそのような余裕はないと思います。
注意)葬儀を行わない場合でも、速やかにご遺体を病院から搬送する必要があります。その際は、葬儀は行わない旨を葬儀社に伝えて、搬送と安置、火葬場への出棺(霊柩車)の依頼のみを依頼することができます。
菩提寺へ連絡
菩提寺が有る場合は、以後の打ち合わせのため、連絡することを忘れないでください。
安置
安置場所では、ドライアイスの処置を行い、宗教・宗旨に合った枕飾りを設営してご遺体を安置します。菩提寺等の僧侶を呼んで枕経をあげてもらうこともありますが、最近は少ないようです。
葬儀社のセレモニー会館に搬送する場合は、会館の霊安庫に安置します。その場合でも枕花・枕経を依頼することができます。
ご遺体の状況に応じてすぐに納棺することがあります。
枕飾り
安置したご遺体の枕元にお線香をあげる支度をして燈明をあげます。神式の場合は、米、塩、水、酒などの献饌物を供えて燈明をあげます。
納棺
葬儀社のセレモニー会館に搬送した場合は、すぐに納棺してから霊安庫に安置することがありますが、ご遺体の湯灌・メイクをされるケースではその後に納棺するのが一般的です。
湯灌・メイク
湯灌とは、ご遺体を入浴させて洗い清めることです。死化粧(ラストメイク)を依頼することもできます。これらは遺族の依頼によって葬儀社が手配します。
法律上の決まりは?
ご遺体の安置や枕飯、枕団子、末期の水の儀式、清めの塩などに関しては、宗教・宗派によって違いが有り、また地域によって様々な「しきたり」、「習わし」があり、法律上の決まりは有りません。
そもそも、葬儀を施行するか否かについても、法律上の決まりは有りません。
つまり、人が亡くなった際、故人の家族や親戚に葬儀を行う義務はありません。あくまでも人の宗教的な感情に沿ったものとしての慣習として行われるものです。
ただし、葬儀の持つ意味や意義は、死に対するけじめやグリーフケアの面から重要だと言われています。
注意)葬儀は法律上の義務ではありませんので、葬儀を行わないという選択肢があります。
(法律上の結婚の場合、婚姻届けは役所に出しますが、結婚式の施行の義務が無いのと類似しています)
ただし、埋葬、または火葬の義務は有ります。
(続く)
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